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           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第156号       ’02−10−11★

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     真似たいが、、

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●TV番組は何によらず

 

いったん録画、あとで早送り再生してざっと確かめ、観るべきと感じた

ものだけ普通の速さで、、とする習慣です。 放映時刻を気にする必要

が無い、冗長部分に付き合わなくて済む。 一種の精神衛生。

 

それに、番組欄の表題だけではどんな中身か、見当がつかないのもある。

でも気になる、となれば、とにかく録って、見てみないことには、、

 

9月23日(月曜)夜10時のNHKBS1、<NY9・11>もその

一つ。 事件後1年の特集ものが放映され尽くした後にポツリ、たった

1行数文字、、 こりゃワカラン。 で、

 

 

ともかくタイマーを仕掛け、翌日観て、おお、こりゃ録って良かった、、

拾いもの! しかし不思議にも、<ウィークエンドスペシャル>と来た。

月曜が? <再>の字は見えないが、、 まあ、どっちでもいいけど。

 

タイトル<ニューヨーク9月11日>、副題<100人のカメラマンが

撮った1年後>。 「プロ歴3年以内の新人を全米から募り、千人以上

 

の中から難関を突破した実力派100人が、ニューヨーク郊外の(西部

劇に出てくる納屋のようなたたずまいの)<エディ・アダムス・ワーク

ショップ>に集まった」。 それらしい装備の男女がスクール・バスで

ゾロゾロ、、 が9月9日。

 

「彼らを出迎えるのは名うてのカメラマンや編集者たち。 このワーク

ショップは、プロカメラマンの養成を目的に毎年開かれている研修プロ

グラム。 今年で15回目、、」。  おお、素晴らしい、羨ましい。

 

主宰者エディ・アダムスは、ベトナム戦争を撮ってピュリッツァー賞を

受けたベテラン報道写真家。 「これまでの戦争はアメリカの外で戦わ

れたものだった。 悲しい写真はもう沢山だ。 今回はニューヨークの

元気な人たちを撮りたい」と。

 

*   *

 

10人ずつの10チーム、各チームに前記一流新聞雑誌の編集者が付く。

事件後1周年当日、朝から夜8時までの間に彼らが撮りまくった中から

100枚を選んで写真集にする、という企画でもあります。      

 

大半は若い参加者の中で、最年長はマイケル・クディッシュ氏、51歳。

旧ソビエト連邦生まれ。 共産主義を嫌って、22年前カナダへ亡命し、

モントリオールに住んで、エンジニア。

 

かたわら写真の腕を磨いて3年前、とうとうカメラマン。 街の片隅に

ひっそりした美を見いだす芸術派。 仕事の幅を広げよう、で、ドキュ

メンタリー手法に挑戦のため参加、、現状打破、自己変革の人、ですな。

 

グランド・セントラル駅構内の警備陣から撮り始め、街頭へ出ては警官

たち、そして出会ったユダヤ教寺院、、 そこで子供たちが描いた画を

見て感動、、 <100枚>の一つに選ばれた彼の作品は、

 

寺院の外でスナップした幼女の無心なポートレート風。 「僕にとって

あの女の子はあの日のニューヨークの象徴。 希望、愛、美しさ、決心、、

すべてのシンボルだ。 彼女に出会っただけでも特別の日だった」と。

 

*   *   *

 

ルポされたほかの何人かも同様、背景はそれぞれだが、みな模索する心、

熱い眼差し。 その眼で見つめたニューヨークの街と人々、、 情感と

力強さに溢れた作品になりました。

 

アダムスの総括:「ニューヨークは映画でしか見たことがない、という

若者たち。 彼らは初めてテロの現場を目の当たりにし、街の人たちに

話しかけながら写真を撮り続けた。 その体験は彼らの人生を変えた。

 

私はここで生まれたわけではないが、ニューヨークは世界で一番美しい

と思う。 この街は、何が起きても生き残るだろう。 そして、ここで

生きる人々は、強くあり続けるだろう」。 このルポもそう感じさせた。

 

その朝「さあ行くぞ!」、喊声と共に飛び出して行った100人の元気、

次々仕上がって来る写真を選り分けつつ撮影者に実際的なアドバイスを

与えた編集者たちの気合い、、 彼らも<強くあり続けるだろう>こと、

疑いありません。

 

*   *   *   *

 

才能を引き出そうという先輩側の熱意や配慮、素直に応えて身を挺する

後輩たち、いずれも渾身、手抜き無し。 指導育成の<あるべき姿>、、

 

こういうの我が国にあるかしら? 真似られるかな? 長らくの低迷も、

根はその辺にあるのでは? など感じました。

 

さよう、<低迷の根>は突き詰めれば心の用い方。 アチラの例に学ぶ

べきはその心。 真似たいが、真似られるかな? そう思わされたのが

もう一つありました。

 

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●それはその前日のテレビ東京、

 

<日高義樹のワシントン・レポート>、題して<アメリカ企業・強さの

秘密>。 裏返せば、こちらの<弱さの秘密>かも。

 

ネット・バブルがはじけ、エンロンやワールドコムなど大企業の不正な

経理操作が続々露見し、で、アメリカ資本主義どうなんだ? その中で

 

<2番目に小さい州>デラウェアは、資源もめぼしい産業も無いという

のに人口は急増、経済成長も全米1、2位。 まことに元気が宜しい。

 

ウィルミントン市はウォール街上場企業の半数を含む大小約20万社が

本社を置く<企業のホーム・グラウンド>。 法人税は最高15万ドル、

登記書類は簡略、電話やコンピュータでも受け付け、設立諸費用も安い。

 

企業からの税収で十分、消費税はゼロ。 近隣諸州からの客が押し寄せ、

ショッピング・センター大増設の不況知らず。 素晴らしい。

 

 

が、それは偶然や一朝一夕ではない。 まず役所が働き者。 たとえば

<企業局>、以前は<朝8時半から夕方4時まで>だった執務時間は今、

全世界の企業時間に合わせるべく<朝6時から夜8時、9時まで>。

 

この州の<企業法>が簡明で分かりやすい上、州内企業法専門弁護士の

グループが毎年<自主的に>アップ・デートする。 議会は<専門家の

見解>を尊重し、迅速に決議する、、という官民一体の自己変革努力。

 

その文言をそっくりコピーして用いる他州もあるくらいだが、真似でき

ないのは<特別法廷> Court of Chancery のサービス。 企業的訴訟

のみを扱い、ビジネス本位の判決を迅速に下す。 基準は<取り引きに

関してどちらが正しいか>で、社会的正義や歴史的経過には関わらない。

 

それに役立つのが、建国前から蓄積された判例集。 これが担当裁判官

Chancellor 単独(陪審員無し)の当日即決を可能にする。 必ずしも

即日でなく、ヒューレット・パッカードとコンパックの合併問題のよう

に、「重要な事件だったので1週間(も? !)かけ」るケースもある。

 

本来この州に本社を置く企業のためのサービスであったが、数年前から

全米の企業が利用できるようになって持ち込まれる訴訟の数が増えた。

これに応じて裁判は1日24時間、土日なしの週7日制。 瀕死の病人

が訴訟を起こせば真夜中でも受け付け、裁判官が病院へ出向いて裁判を

行なうこともある。 2000年度の処理件数、1650件!

 

  勝手に<働き過ぎ>と思い込んでいる国、どこかにありましたなあ。

  そもそも「サービス」の意識があるかどうか、我が公<僕>たち?

  

  <学ぶ>は<真似ぶ>から、とは言うが基本的に<学ばない体質>、

  真似る気すら起きるかどうか? 即ち<気>が問題、<心>の問題。

  「気は心」って、そういうこと? まさか!

    

*   *

 

この州へ移って来るのは<本社>、従って必要なのは、オフィス、電話、

コンピュータ。 場所も取らず、公害も生じない。 その結果、全米で

企業活動が縮小する中、経済成長毎年1%。 国の援助も受けていない。

 

  長野もそうしますか、田中さん? カジノより建設的でしょ?

 

景況の影響はあるが、議会の協力は積極的。 本年1月提出の健全予算

が春危うくなるや、議会は直ちに支出2%減を決議し、均衡を保った由。 

 

  予算を膨らますことしか考えない欠陥頭脳を国公立大学に生ませる

  仕組みですからな、我が国。 こういうところは真似られまいね、、

 

個人所得税率は全米中位だが、消費税が無く不動産税も安い。 美しい

海岸と歴史遺産に恵まれ、ワシントンやニューヨークにも近く、<最も

住みやすい州>の一つ、退職者の移住天国。 現在人口87万。

 

知事の公約は<Livable Delaware> 住みやすいデラウェア。 クリーン

な環境、経済的社会的安定。 かつては問題があった学校制度も、この

10年で改善し、高く評価されている由。 

 

目下<歴史探訪>プログラムで旅行者をも誘致しているが、<米国憲法

に最初に署名した州>、企業優遇や旅行者誘致においても最初!を強調。

 

  そのまた前日、ゴースト・タウン化した<キヨサト>のルポを観た。

  熱しやすく冷めやすい人たちの、行き当たりばったり。 <狙い>

  の確かさと達成努力の集中・継続・更新、、 が無い。 対照的!

 

*   *   *

 

このようなデラウェア州を作って来た議会の建物は、<歴史>的雰囲気。

昔と違うのは女性議員の数、とか。 議員席は、いわばミニ・オフィス。

たまたま休日か点々数名、黙々とデスク・ワークに取り組む姿。 永田

町の先生方、真似られまいね。

 

知事ルース・ミナー女史は元<高卒勤労者>。 2度の結婚はいずれも

死別だったが3人の子を育て上げ、孫7人の自信に満ちた家庭婦人風。

 

「ほかの州では政府と企業が圧力をかけ合うが、この州では協力し合う。

その歴史的蓄積の上に、システムの改良を重ねて来た」。 たとえば、

 

「問題発生の際は1日の内に10大企業のCEOを州のオフィスに集め、

解決のために論議する。 ファースト・ネームで呼び合う間柄、、」。

 

<金融サービス推進法>を作ったので、銀行やクレジットカード会社が

集まって来たが、要るのはオフィスと電話とコンピュータ。 小さな州

であることを逆に生かし、さらに

 

「<経済戦略会議>というビジネス推進の評議会を設け、将来へ向けて

の活動を始めた。 ビジネスを呼び込み、経済を繁栄させ、州民に仕事

を与えるには何が必要かを考え、ハイテク産業を誘致することに、、」。

 

これは彼女選挙中の着想、いわば公約。 すでにドイツのバイオ企業を

呼び込み、ほかに台湾、中国、日本など18〜20社が検討中。 前記

企業局の執務時間延長はそれへの対応でもあった。

 

「ハイテク対応の州民再教育が必要。 だが、世界のハイテク企業が東

海岸に来るときの玄関口になるため」企業優遇の伝統を生かすのだ、と。

 

*   *   *   *

 

国を富ませるのはビジネス、政治家や役人じゃない、、 分かり切った

ことなのに、ビジネスを元気にさせない、<人間を幸福にしない日本と

いうシステム>。 公費で海外視察する彼ら、こういうのを学んで来て

欲しいのに過去半世紀、どこ見てたのかなあ?

 

いっとき増長のあまり、「もうアメリカに学ぶものは無い」とほざいた

人もいたが、心の持ち方、裾の広がり、層の厚み、どこを取っても我々、

未だ遙かに及ばない。 特に<育てる><伸ばす><変革する>の面は、、

 

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資源乏しき我が国、デラウェアの人々のように<ビジネスの力>を信じ、

ニューヨークの人々のように<次世代育成>に励む必要があるのに、

 

政治家も役人もビジネスを食いものにする(かのように振る舞う)のは

嘆かわしい、、どころか企業内にも、しかも<上>の方にそんな認識の、

あるいは行動ぶりの人が少なくない。 <先>進国? ご冗談を!

 

 

PAは、IS と IS NOT を見比べて▼ IS 側の特徴を見いだし、それに

基づいてトラブルの原因を求める技法ですが、原因が色々もつれている

場合には、それらに細々こだわっていては埒が明かない。

 

むしろ▼で<IS NOT 側の特徴>を見いだし、それらを現状に応用する

ことによって IS の改善を図る、とした方が実際的効果が得られやすい。

 

よそ様の<良いところ>を真似して自分たちの不都合な状況を改善する。

昔風に言えば「人の振り見て我が振り直せ」、マネジメント風に言えば

<ベンチマーキング>。 まずは<心>を真似たいものですが、、

                          ■竹島元一■

   ■今週の<私の写真集から>★マンスフィールドで★

 

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